『悪い女』

悪い女 [DVD]

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この『悪い女』というタイトルは誰が付けたのでしょう。原題は直訳すると『青い門』だそうです。全然ストーリーと合っていないタイトルを付けた輩は手を挙げなさい。ところで1998年にとられた映画なので、ウォークマンから聴こえてくる音楽が『O.K computer』だったりと、萌えました。 主人公の女の眉毛の太さといい、たまりません。

娼婦として民宿宿にやって来た主人公と、その家族の関係について叙事的に描いています。各個人のそれぞれの想いが交わることがなく、ただ単に偶然が重なり、離接を繰りかえす。そういった過程の中で思いがけない所から真実が見えたり、互いを理解し合えたりということが可能になるのでしょう。

以下ネタばれ
この過程の弟が撮影した娼婦のヌード写真が騙された挙句雑誌に載ってしまう。そこでこの娼婦を金づるとしている男が民宿に乗り込んだが、逆にやられてしまう。そのような偶然を通じた中で、その娼婦と男との間に大事な言葉が交わされる。
または自分の家に娼婦がいることが嫌でならない姉は、娼婦を毛嫌いする。娼婦を寝る男たちを何人も見てきて、男に対して幻滅している姉は結婚するまで彼氏とは寝ようとしない。その彼氏が民宿宿で娼婦と寝ようとする*1。その事実がばれることで、彼氏と喧嘩になるが、ある日娼婦の部屋で自分と娼婦の写った写真を見ることで興味が芽生え、結局二人はお互いを理解し合えるようになる。

個人個人がお互いの思惑で行動をした結果、すれ違いや不和が起きる、けどその結果また偶発的にお互い理解できたり、思いもよらない結果が自生的に発生する。そういった偶発的な出来事の中でも、むしろ偶発的だからこそ人間は喜びや驚きを見出せたりすることが出来る。映画を観てそんなことを思いました。

*1:結局寝ないで帰るけど