最近読んだ本

こないだまでトルコに行ってました。その機内でものすごいスピードで読み終えた3冊。

月と六ペンス (新潮文庫)

月と六ペンス (新潮文庫)

まず、モーム。『人間の絆』よりも僕はこの方が好きです。最近読んだ中で一番よかった。
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

とりあえずこれは外せないでしょう。著者オプティミスティックな面というか、ウェブに新たな可能性を見出している点において、視野が広いなと。「アナロジーで語るなかれ」という一言は肝に銘じたいもの。
働きすぎの時代 (岩波新書 新赤版 (963))

働きすぎの時代 (岩波新書 新赤版 (963))

働きすぎの現代人。最後の最後で小学生のような感想文的ともいえる提案が羅列され、思わず脱力。座席から滑り落ちた。

『マグノリア』

マグノリア<DTS EDITION> [DVD]

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この映画好きだわ。別々の場所でバラバラに展開する話がラストのある出来事で繋がって、意外な形で救いをもたらします。トム・クルーズの演技がすごいね。あんなトムは初めて見た。やりゃできるじゃん!!
違う筋で展開される話が、一度車ですれ違うあたりは、『BORDER LINE』という日本映画を思いだしましたが。
しかし何といっても、エイミー・マンの楽曲が光ります。これがなきゃこの映画は成り立たないでしょう。

『エリ・エリ・レマ・サバクタニ』


タイトル:エリ・エリ・レマ・サバクタニ
URL:http://www.elieli.jp/top.htm

青山真治監督最新作。ワンカット目から、海の波しぶきがスクリーンいっぱいに映し出されるけれども、『ユリイカ』のラストを想い出してしまいました。言葉を失った少女(宮崎あおい)の目に映った景色とどこかでつながっているのでしょう。異なる時間を少女が観た海を通じて,二つの世界がつながりを持っています。

レミング病という、感染するとその人を自殺へと追い込むウィルスが蔓延した2015年の近未来を舞台とした作品。病気を阻止する方法はただ一つ,ある二人のミュージシャンの奏でる音を聴くと、一時的に病の進行が止まるのであった。そしてそのミュージシャンが暮らす北海道の帯広へ、レミング病にかかった孫娘を治療してもらおうと、資産家の祖父とその案内人の探偵と孫の三人でやってくる。

ピュアな人は心の中にカオスが無いために、病にかかりやすいのと対照的に、汚れた人間は社会の混沌に順応し生きながらえるのが常である。ピュアな人間は、社会の混沌と異なるノイズに触れ希望の音を見出すが、汚れた人間にとってはただたんに耳障りで不快な音に過ぎない。

しかし、音による救いは向こうから降ってくるものではない。音によって病は治らないし、少女ハナが言うようにそもそも人間そのものが病んでいて死んでいる。何故死んでいるのに、生きなければならないとかと彼女は問う。誰もそれには答えないが浅野扮するミズイは治るという意志について語る。


にしても、この映画を観ていて感じたずれのようなものは、音を視覚化した点にあるかもしれない。大草原の中で目を閉じて音をあびるハナを、観るというのはどうなんだろう?

『ある子供』

けっこう前ですが、観に行ったんですよ。こちらを。

ラストシーンが奇跡的です。終わったときはあれ?って思うけれども、あとから来ます。

魚津郁夫『プラグマティズムの思想』

プラグマティズムの思想 (ちくま学芸文庫)

プラグマティズムの思想 (ちくま学芸文庫)

微妙の一言。ただまとめましたよーって感じ。緊張感一切なし。放送大学の教科書みたいだから仕方ないですね。この内容だったら1時間2時間あれば十分読めます。

『男たちの大和/YAMATO』

卒論も終わった(終わらせた)ことだし、今日はゼミの先生が観た感想を言っていた『男たちの大和』を観に立川へ。この手の映画は『ローレライ』とか『戦国自衛隊』とかと同じようにみなしていましたが、すみません謝罪します。ぜんぜん違いました。ガラガラかと思いきや超満員でした。危うく入れないところだった。


タイトル:男たちの大和/YAMATO
URL:http://www.yamato-movie.jp/index.html

絶句。言葉が出ませんでした。ときどき?なところがありますが、とにかく絶句。先生がもう一度観ればためらうといっていたのがよく身にしみて分かります。重すぎる。けどこの映画ストレート過ぎるな。感情移入しそうな所で次の場面に進むので,結構淡々としててびびる。
なお映画の内容とは全く関係ないが,蒼井優の殺人的なかわいさのおかっぱ姿を一目お目にかかりたい奴は劇場へ走れ!