高野悦子『二十歳の原点』

二十歳の原点 (新潮文庫)

二十歳の原点 (新潮文庫)

全共闘世代であって、学生闘争に身をゆだねながら最終的に死を選んだ若き著者の日記。成人式の日から手記は始まり(この本では)、『未熟であること』
『孤独であること』を原点として体制の悪やエゴイズムに対する嫌悪、そしてそれを嫌悪する自分に潜むエゴイズムへの嫌悪を自省しながらつづっていく。市場豊かな表現も彼女の魅力であるが、今では考えられないくらいの自省が続いているのが印象に残った。今では考えられない。これはもう一度。