『ベルリン 天使の詩』『半落ち』
実家の映画コレクションから
- 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
- 発売日: 1998/10/25
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 88回
- この商品を含むブログ (96件) を見る
- 出版社/メーカー: 東映
- 発売日: 2004/07/21
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 74回
- この商品を含むブログ (244件) を見る
まず、『ベルリン 天使の詩』から。最初のシーンからガンとやられました。永い間社会を見続けて、人々のそばに寄り添い心の声を聞いてきた天使たち(おっさんだけど)。天使の一人がそのうちサーカス団で空中ブランコのショーをやっている女性に恋をして、永遠を捨てて人間へとなる契約を交わす。
この映画は、俯瞰した視点からだんだんと身近な視点へと距離を変えることによって、心の声を表現している。あと天使の住む感覚のない無制限な世界をモノクロで、人間たちの様々な苦しみ喜びのある世界をカラーで表現しているのもいい。無制限で痛みや苦しみのない世界よりも、苦しみや痛みを抱えて制限がある世界の方が素晴らしいし、喜びが多いことを描いているある意味現世肯定の映画だと思います。
で、半落ち。この映画はほんとひどいです。オチなし。何を言いたいんでしょうか?これは僕の読解力がないというより、脚本が弱いのが原因だと思いますね。アルツハイマーで“壊れ”ていく妻を殺害した元警部梶。殺害から出頭までの空白の二日間を巡り、事件の波風を抑えるようにしたいと警察と、虚偽を暴こうとする検事や、スクープ記事を書き本社勤務を狙う記者など、様々な利害関係者のエゴが剥き出しになる中、梶は黙秘を続ける。
結局2日間の間にあった事柄が何を意味するのかわからず、裁判官の質問も梶とは食い違いを見せる。バラバラで散漫な脚本を何とか出演者の演技でカバーしたという感じ。寺尾聡の演技はもちろんのこと、個人的には検事役の伊原剛志が熱演。