サマリア@恵比寿ガーデンシネマ

chelate2005-04-14

これ観たかったのですよ。恵比寿のガーデンシネマにて大学の友達4人で鑑賞。キム・ギドク監督は今一番気になる人です。

タイトル:サマリア
監督:キム・ギドク
出演:クァク・チミンハン・ヨルム、イ・オル
場所:恵比寿ガーデンシネマ
URL:http://www.samaria.jp/

三部構成からなる映画。最初は親友のチェヨンの死をヨジンは引きずって生きていくのかと思いきやそんなこともなく、父と娘の関係を描いた映画へと変化していく。
援助交際を繰り返すチェヨンと彼女を買う男を嫉妬するヨジン、チェヨンの死後彼女と寝た男に自ら寝てお金を返すヨジンと、その光景を観て怒り狂う父親のヨンギ。お互い真に分かり合うことが出来ず、決して交わることのない三人が印象的。
あまりに残酷な内容にがすごくて殺伐として共感することが出来ないが、かえって世界を鮮明に映し出す。秋の落葉の季節の暗みを帯びた色と相まってすごく閉鎖的な感じが伝わってくる。
この映画は終始物語の筋を否定しているが(頭で理解できるストーリーがまったくないってこと)、ラストは典型的なハッピーエンドで終わるわけでもなく、ヨジンが一人取り残されて抽象的に終わる。人の人生はいつ終わるかわからないし、そもそもゴールは存在しない。だからハッピーエンドでは終わらないけど、自分ひとりでこれから車を運転していなければいけないということだ。すごく残酷ではあるけどこれらを抱えて生きていくという意味で現実に地がついている。
本当に観てよかったわ。